働く女性のキャリアデザインガイド:自分の未来を描くためのステップ
あなたはキャリアデザインについてどのように考えていますか?本記事では、キャリアデザインの基本概念から、実際に職場でどのように実践するか、また仕事と家庭のバランスを保つ方法まで、幅広いトピックをカバーします。ぜひ自身のキャリアプランに置き換えて考えてみてください。
キャリアデザインとは?
キャリアデザインとは、自分の職業人生を計画し、目標達成に向けて具体的な行動を取るプロセスを指します。これは単なる仕事の選択だけではなく、生涯にわたる職業生活全体を見据えたものです。キャリアデザインを通じて、自分の強みや興味、価値観を理解し、それに基づいた職業選択やスキル習得を行うことが重要です。
キャリアデザインが必要な背景
キャリアデザインが必要といわれる背景
現代社会ではキャリアデザインが注目され、必要とされている背景としては、社会と企業、そして個人の3つの観点の変化によって、キャリア観が大きく変わったことが挙げられます。
一つ目は社会の変化です。
VUCA(ブーカ)時代という言葉は聞いたことがあるでしょうか。VUCAとはVolatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った造語で、「社会やビジネスにとって先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態」を意味する言葉です。
IT技術の進化と発展、グローバリゼーション、新型コロナウイルス感染症の流行、また気候変動などの背景から、現代はまさにVUCA時代といわれています。
また「人生100年時代」とも言われ、厚生労働省は「人生100年時代」に向けて対応を図っており、国・組織・個人がライフコースの見直しを迫られるようになっています。
【厚生労働省より参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000207430.html】
二つ目は企業の変化です。
即戦力となる中途人材の採用が当たり前となり、人材の流動性が高まったことや、終身雇用を前提とした年功序列制度が当たり前ではなくなり、成果主義へ方針の転換をしていることなどが大きく影響しています。
三つ目は個人の考え方の変化です。
働くことへの個人の考え方も、社会情勢の変化とともに変わってきています。
働き方や労働への価値観が多様化し、従来ではあまり良いこととされていなかった転職も、昨今ではキャリアアップに良いと捉えられています。
転職が当たり前となり、「なぜ働くのか」「どう働くのか」などの自分のありたい姿を追求し、自己実現のため主体的にキャリアを設計するキャリアデザインが必要になってきています。
女性におけるキャリアデザインの重要性
キャリアデザインが重要視されている背景をお伝えしましたが、女性にとってのキャリアデザインはより一層重要視されています。
特に女性のキャリアデザインは、男性とは異なる部分があります。女性はライフイベント(結婚、出産、育児など)によるキャリアの中断や変化を視野に入れ、自身の仕事でさらにレベルアップするよう行動改革を図る必要があります。
現代では、男女雇用機会均等法の施行をきっかけに、女性の社会進出が増えていますが、育休後の社会復帰やフルタイム勤務の難しさなどが見受けられます。
このような状況を打破するために、国は女性活躍推進法を施行し、社会全体で女性が働きやすい環境作りが行われています。
【参照:厚生労働省より女性活躍推進法特集ページ https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000091025.html】
女性にとってキャリアデザインは、一度設定したら終わりではなく、定期的に見直しと修正を行うことが重要であり、ライフステージや環境の変化に応じて見直し、調整を続けることが求められます。
キャリアデザインの基本概念
先述した通り、キャリアデザインとは、自分自身が主体となって自分の職業人生を計画的に設計し、目標を達成するための具体的なステップを考えるプロセスを指します。
特に女性にとっては、ライフステージやライフイベントに応じた柔軟なキャリア設計が求められることが多く、その重要性はますます高まっています。
キャリアデザインの基本概念は、「自己理解」「目標設定」「行動計画」の3つのステップに分けられます。
①自己理解:
自分の強みや弱み、価値観、興味、知識、スキル、また仕事に対する価値観などを深く理解することが重要です。さまざまなキャリアアンケートや自己診断ツールを活用して、自分自身を客観的に見つめ直すことができます。
自己分析を通じて、自分が本当にやりたいことや、どのような働き方が自分に合っているかを明確にします。
②目標設定:
自己理解を基に具体的なキャリア目標を設定します。この目標は、短期的なものから長期的なものまで幅広く含まれます。例えば、1年後に取得したい資格や、5年後に達成したい職位などです。
自身の目標やありたい姿を設定しイメージすることで、日々の行動に明確な方向性が生まれ、モチベーションを維持しやすくなります。
③行動計画:
設定した目標を達成するための具体的なステップを計画します。例えば、必要なスキルを習得するための研修やセミナーへの参加、ネットワーキングイベントでの人脈作りなどが挙げられます。
特に女性の場合、同じような境遇や課題を持つ人たちとのネットワーキングは、キャリアの支えとなるでしょう。
自己投資としてのスキルアップや研修の活用は、キャリアデザインにおいて非常に重要で、オンラインコースや専門学校、資格取得など、さまざまな方法でスキルを向上させることができます。
また、職場内でのトレーニングやワークショップにも積極的に参加することが望まれます。行動計画は、目標達成のためのロードマップとなり、計画的にステップを踏むことで着実に進捗を確認できます。
以上がキャリアデザインの基本的な考え方です。
キャリアデザインとキャリア形成・キャリアプラン・キャリアパスの違い
キャリアデザインのほかに、キャリア形成やキャリアプラン、キャリアパスという言葉がありますが、それぞれどのような意味を持つのでしょうか。
キャリアデザインだけでなく、その他にもよく使われるキャリア関連の言葉についても押さえておきましょう。
キャリア形成:
個人が仕事を通じて経験やスキルなどを蓄積し、自己実現を図っていくプロセスのことです。自身の「ありたい将来の姿」をイメージし、その目標に向かって、できる行動を一つずつ考え重ねていくことを指します。
キャリアプラン:
これからの人生において、どのような仕事をしていきたいのか理想像を明確にし、その理想像を実現させるため具体的な行動計画を立てることを意味します。
キャリアパス:
一つの企業の中で、キャリアを積み重ねていくために必要な過程や道筋を示すものであり、どのような職務にどのような立場で就くか、またそこに到達するためにどのような経験を積み、どのようなスキルを身につけるか、といった社内での昇進や目標を指す言葉として使われます。
次章では、キャリアデザインの基本概念を踏まえて、働く女性が具体的に抱えている悩みや不安について触れていきます。
働く女性が抱えやすいキャリアの悩み・不安・課題とは
では実際に働く女性が抱えやすいキャリアの悩みや不安、課題とは一体どのようなものがあるのでしょうか。
・ワークライフバランスを上手に実践しているロールモデルがいなくて不安がある
・今の会社を続けたいが、仕事と家庭が両立できないのではないかと思っている
・いずれ子どもが欲しいが、順調にキャリアを築いている最中で、長期休業しブランクが空いてしまうことに不安がある
・産休・育休から復職したが、仕事量が少なくなり、今後のキャリア形成に課題を感じている
以上のような悩み・不安・課題感を抱えている女性が多く見られます。
ではこのような悩みを解消するために、働く女性はどのようにキャリアデザインを実践すべきでしょうか。
働く女性のキャリアデザイン実践
働く女性がキャリアデザインを成功させるために、具体的なキャリアデザインの実践方法について見ていきましょう。
まず社内で実践できるポイントを解説していきます。
社内で実践①:目指したいロールモデルを探してみる
働く女性の悩みの一つにもあったロールモデルがいないという問題です。
働く女性のなかには、そもそもどのようなキャリアを歩んでいけばいいのか、ロールモデルも見つからず、明確にイメージできない方もいるでしょう。このような場合は、理想のロールモデルを探すことから始めるというのも効果的です。
まずは自分が直接知っている社内の先輩や管理職、また社内に限らず両親や友人などから探す方法です。自分に対して良い影響を与えているかという視点で選びます。
また営業先の担当者など社外の人物をロールモデルにすることもあります。社内に比べて、先入観がほとんどない状態で客観的に捉えることができます。
ロールモデルを探し、自身にも当てはめてみることで、自分自身はこのようなキャリアを積んでいきたいなど、仕事に対する価値観や目指したい働き方について気付くきっかけにもなります。
社内で実践②:社員や上司とのコミュニケーション
社内でのキャリアデザインを成功させるためには、社員や上司とのコミュニケーションが欠かせません。仕事と家庭を両立できるかという点においても、社内でのコミュニケーションは必須となるでしょう。
あなたは自分のキャリア目標や希望を明確にし、それを上司や同僚に共有できているでしょうか。
定期的な1対1のミーティングやフィードバックを活用して、自分の進捗状況や課題を話し合う機会を持ちましょう。これにより、上司からのサポートやアドバイスを受けやすくなり、目標達成への道筋が明確になります。
例えば、新しいプロジェクトに参加したい場合や異動を希望する場合は、その理由や期待する成果を具体的に説明することで、上司やチームメンバーの理解と協力を得やすくなります。透明性と誠実さを持ってコミュニケーションを図ることで、信頼関係を築くことができます。
社内で実践③:職場内での役割や業務内容を見直し
また職場内での役割や業務内容を見直し、自分のキャリア目標に合ったプロジェクトやタスクに積極的に取り組むことも重要です。新しいチャレンジや責任を引き受けることで、スキルを磨き、キャリアの幅を広げることができます。
特にリーダーシップを発揮する機会を見つけ、自分の能力を証明することが、キャリアデザインにおいて大きなプラスとなります。
社内で実践④:女性向けキャリアデザインプログラムの活用
企業内で提供される女性向けキャリアデザインプログラムを積極的に活用することも一つの戦略です。企業の中には、女性のキャリア支援を目的としたメンター制度やワークショップ、セミナーなどが開催されています。
これらのプログラムに参加することで、他の女性社員とのネットワークを広げる機会が得られますし、専門的な知識やスキルを習得できます。
次に社外において、働く女性が実践するポイントをご紹介します。
社外での実践①:女性向け外部セミナーやキャリアデザインプログラムへの参加
女性向けの外部セミナーやキャリアデザインプログラムの活用は、非常に有益です。外部の専門家からの視点やアドバイスは、新たな視点を提供し、自分のキャリアデザインに役立つヒントを与えてくれます。
例えば、女性のリーダーシップ育成を目的としたトレーニングや、育児休暇からのスムーズな復職を支援するプログラムなどが挙げられます。これらの機会を積極的に利用することで、キャリアの継続性を確保しつつ、スキルアップやネットワーキングが可能となります。
社外での実践②:知識習得
自己研鑽も忘れてはいけません。業界のトレンドや新しい技術、知識を常に学び続けることで、職場での価値を高めることができます。専門書を読む、ネットから情報収集をする、社外の人脈やオフラインコミュニティなどから情報を得るなど、さまざまな方法で自己成長を図ることができます。
これにより、自分のキャリアデザインがより具体的で実現可能なものとなります。
社外での実践③:自分のやりたいことに向き合う
キャリアを考えるうえで重要ともいえることが、自分のやりたいことに向き合うことです。キャリアデザインの基本概念のなかで「自己理解」「目標設定」「行動計画」の3つのステップがあることをお伝えしましたが、キャリアを考える出発点は『自分のやりたいこと』『自己実現したいこと』であり、自分の理想を追求することがキャリアデザインでは重要です。
社外にアンテナを張るなかで自分が本当にやりたいこと、実現したいことは何かという問いに向き合い、自身のキャリアをデザインすることを意識しましょう。
このように、社内外でのキャリアデザイン実践は多面的なアプローチが求められますが、継続的な努力と適切なサポートを活用することで、自分の理想のキャリアを築き上げることが可能です。
働く女性がワークライフバランスの悩みを解消するための具体的な方法
働く女性にとって、キャリアデザインを実践する際にはワークライフバランスも重要な要素となります。具体的に仕事と家庭を両立する方法はどのようなものが挙げられるでしょうか。
働く女性の仕事と家庭を両立する重要なポイント3つ
仕事と家庭の両立は、特に女性にとって大きな課題となります。両立するにあたって重要なポイントを見ていきましょう。
(1)時間管理:
両立においては時間管理が非常に重要です。仕事と家庭のスケジュールをバランスよく調整するために、優先順位を明確にし、効率的にタスクをこなすことが求められます。
タスク管理ツールやカレンダーアプリを活用して、日々の予定を整理し、無駄な時間を減らす工夫をしましょう。
また、子育てをしながら働く女性は特に効率的な時間管理が不可欠です。スケジュールを細かく計画し、優先順位を明確にしましょう。例えば、仕事の合間に短い休憩を挟んで家事をこなしたり、始業前に家事をしておいたり、子供の学校行事や習い事のスケジュールをあらかじめ把握しておくなど、細かい調整が必要です。
デジタルツールを活用して、家族全員のスケジュールを一元管理することで、時間の無駄を減らすことができます。
(2)働きやすさの改善・職場環境の見直し:
職場と家庭のサポートシステムを活用することも重要です。例えば、職場でのフレックスタイム制度や在宅勤務のオプションを検討し、必要に応じて上司と相談することで、柔軟な働き方を実現できます。
家庭においても、パートナーや家族、友人に協力を依頼し、家事や育児の負担を分担することが大切であり、特に育児と仕事を両立する働く女性にとって、周囲のサポートが重要です。
地域の子育て支援サービスや保育施設、ベビーシッターの活用も検討してみましょう。職場でも、子育て中の従業員を支援する制度やフレキシブルな勤務時間がある場合は、積極的に利用することをお勧めします。
(3)自己ケア・ストレス管理:
バランスの取れた生活を維持するためには、自己ケアを怠らないことも大切です。仕事と家庭の両立によるストレスは避けられませんが、それを適切に管理することが重要です。
まず、自分の限界を知り、無理をしないことが大切です。必要であれば、カウンセリングやメンタルヘルスの専門家に相談することも考慮に入れましょう。
また、定期的にリラクゼーションや趣味の時間を設けることで、ストレスを軽減し、心身の健康を維持できます。例えば、ヨガや瞑想、散歩などのリラクゼーション活動を取り入れることで、リフレッシュし、新たなエネルギーを得ることができます。
その他にも、日頃から実施しているストレス解消法や好きなことなどがあるかと思います。心身ともに健康な状態を保つことにより、仕事に対するモチベーションを維持し、長期的なキャリアデザインの成功を目指しましょう。
このように、ワークライフバランスを保つためには、時間管理、働きやすさの改善、自己ケア・ストレス管理が不可欠です。これらを実践することで、仕事と家庭の両立を成功させ、長期的なキャリアデザインを築くことができるでしょう。
まとめ
総括して女性のキャリアデザインは自己分析から始まり、明確な目標設定、必要なスキルの習得、ネットワーキングの活用、フィードバックの取得、そして実行という一連のプロセスを経て実現されます。これらのステップを踏むことで、より充実したキャリアを築くことができるでしょう。
最後に、キャリアデザインは一度設定したら終わりではなく、ライフステージや環境の変化に応じて見直し、更新していくことが大切です。柔軟性を持ち、自分の価値観や目標に合ったキャリアを追求し続けることで、長期的な満足感と成功を得ることができるでしょう。
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