仕事×家庭を両立する女性の働き方:DINKSとDEWKSの実態
現代社会において、女性の働き方は多様化しています。多様なライフスタイルを描く現代女性の中でも、今回は、DINKs(共働きで子どもがいない夫婦)とDEWKs(共働きで子どもがいる夫婦)に焦点を当て、DINKsとDEWKsの女性の働き方と実態を探っていきます。
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DINKs(ディンクス)とDEWKs(デュークス)とは?
まずDINKsとDEWKsが指す意味を見ていきましょう。
DINKsとDEWKsは、現代社会における特定のライフスタイルを表す言葉で、
DINKsは「Double Income, No Kids」の略で、共働きで子どものいない夫婦を指し、
DEWKsは「Dual Employed With Kids」の略で、共働きで子どもがいる夫婦を意味します。
これらのライフスタイルは、個人の価値観、キャリアの追求、経済的な理由など、様々な理由によって選ばれることが多いです。
DINKs誕生の歴史的背景~1980年代から時代とともに変化~
DINKs(ディンクス)という言葉は、1980年代にアメリカで初めて登場しました。
当時の経済状況や社会の変化により、共働きで子どもを持たない選択をする夫婦が増えたためです。
DINKsの夫婦は、キャリアを優先し、旅行や趣味に時間とお金を投資する傾向があります。
また、子どもを持たないことで経済的な余裕が生まれ、高級なライフスタイルを楽しむことができるというメリットもあります。
一方、DEWKs(デュークス)は、1990年代以降に見られるようになったライフスタイルの一つです。
共働きで子どもを育てる夫婦が増えた背景には、女性の社会進出と共に、家庭内での役割分担が変化したことが挙げられます。
DEWKsの夫婦は、仕事と家庭の両立を目指し、育児や家事をシェアすることで、バランスの取れた生活を実現しています。
DINKsとDEWKsのライフスタイルは、それぞれに異なるメリットとデメリットがあります。
DINKsの夫婦は自由な時間と経済的な余裕を享受できますが、将来的な老後の不安や社会的な孤立感を感じることもあります。
一方、DEWKsの夫婦は子どもを育てる喜びや家族としての絆を深めることができますが、時間とエネルギーの制約が多く、ストレスを感じることも少なくありません。
これらのライフスタイルは、個人や夫婦の価値観や目標によって選ばれるものであり、一概にどちらが良いとは言えません。
大切なのは、自分たちにとって最適な選択をすることであり、そのためにはパートナーとのコミュニケーションが不可欠です。
DINKsが増加中?増加傾向にある背景と割合
DINKsのライフスタイルは特に注目されていますが、DINKsが増えている背景について考えてみましょう。
まず夫婦のみの世帯数の割合(DINKs世帯数)を見ていきます。
厚生労働省の「2022年国民生活基礎調査の概況」では、2022年の夫婦のみの世帯数が1333万人で、1986年の540万1,000人よりも倍以上多い結果となっています。
こちらの調査結果の数字は、子どもを望んでいるものの結果的に夫婦のみの世帯も含まれるため、意図的にDINKsを選択しているとは限りませんが、夫婦のみ世帯が増加傾向にあることが見て取れます。
増加している要因としてはいくつかの社会的・経済的要因がありますが、3つ挙げると、
一つ目は、女性の高学歴化とキャリア志向の高まりによる女性の社会進出です。
教育の普及とともに、多くの女性が大学や大学院で学び、専門職や管理職を目指すようになりました。これにより、結婚後も仕事を続けたいと考える女性が増えています。
二つ目は、経済的な理由もDINKsの増加に寄与しています。現代社会では生活費や住宅費が高騰しており、共働きでないと経済的に安定した生活を維持することが難しい場合があります。
特に都市部では、夫婦がともに働くことで生活の質を高めることが可能です。
そして三つ目はライフスタイルや価値観の多様化も影響しています。現代の夫婦は、従来の家族像にとらわれず、自分たちの理想の生活を追求する傾向があります。
趣味や旅行、自己啓発活動など、子どもがいると制約されがちな活動に時間とお金を投資することができるため、夫婦二人の生活を選ぶ人が増えています。
このような背景から、DINKsというライフスタイルは今後も増加し続けると予想されます。
そして、DINKsとDEWKsの選択は、それぞれの夫婦の価値観やライフプランによって異なります。
どちらがご自身にとって良いかを見極めていくために重要なことは、夫婦が互いに納得し、協力し合いながら自分たちの理想の生活を築いていくことです。
理想の女性の働き方を実現するために。本当に仕事と家庭は両立できる?
DINKsとDEWKsが仕事と家庭を両立するために必要なポイント3選
現代社会において、仕事と家庭を両立する女性の働き方は多様化し、その選択肢も広がっています。特に共働き家庭が増える中で、女性がどのようにしてキャリアと家庭のバランスを取っているのかは重要なテーマです。
理想の働き方を目指し、仕事と家庭を両立する女性に共通して必要なポイントを3つ見ていきましょう。
①時間管理のスキル:時間管理は、共働き家庭において最も重要なスキルの一つです。効率的なスケジュールを立てることで、仕事と家庭の両方に十分な時間を割くことができます。
例えば、家族全員の予定を一元管理するカレンダーアプリを活用することで、日々のタスクを可視化し、優先順位をつけることができます。仕事の効率を高めるためのツールやテクニックを駆使し、家庭でも効率よく時間を使うことが求められます。
また、在宅ワークの場合、仕事の休憩時間を活用して家事を進めるなど、時間を最大限に活用する工夫が求められます。
②職場の柔軟な働き方:職場環境が柔軟であることも、共働き家庭にとって大きな助けとなります。
リモートワークやフレックスタイム制度、短時間勤務など、働く時間や場所を選べる制度が整っている職場は、家庭との両立を支援する大きな要素です。
例えば、子どもの学校行事や急な病気にも対応しやすくなり、仕事の効率や生産性を維持しつつ、家庭生活にも十分な時間を割くことができます。
さらに、企業が提供する育児支援プログラムやカウンセリングサービスなども、働く女性のストレスを軽減し、より充実した生活を送るためのサポートとなるでしょう。
③パートナーとの協力:家庭内でのパートナーシップも重要な要素です。
共働き家庭では、夫婦間の役割分担が明確であることが、成功の鍵となります。家事や育児の負担を公平に分担することで、どちらか一方に過度な負担がかかることを防ぎます。
例えば、掃除や料理、子どもの送り迎えなど、具体的なタスクをリストアップし、それぞれの得意分野やスケジュールに合わせて分担することで、家庭内の調和を保つことができます。
また、定期的なコミュニケーションを通じて、お互いの状況や意見を確認し合うことも重要です。これにより、問題が発生した際にも迅速に対応し、円滑な家庭生活を維持できます。
これらのポイントを実践することで、仕事と家庭の両立がよりスムーズになり、理想の女性の働き方に近づくことができるでしょう。
現代社会における女性の働き方は、多様な選択肢があるからこそ、自分に合ったバランスを見つけることが大切です。
共働き家庭が直面する課題を乗り越えながら、キャリアと家庭の両方で充実した生活を送るためのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。
DINKs編:夫婦で家事の負担を上手く分担しよう!~必要となる家事タスクをリストアップする~
DINKs世帯においては、子育ての負担がない分、家事の負担割合を夫婦でどう分担するかが重要なポイントとなります。
家事を公平に分担するためには、まず必要な家事タスクをリストアップし、それぞれの負担を可視化することが大切です。
以下に、共働き世帯で必要となる一般的な家事タスクの例をまとめてみました。
例)一般的な家事タスクの例
- 掃除:リビングや寝室、浴室、トイレなどの掃除。床の掃除機掛けやモップ掛け、窓拭きなども含まれます。
- 洗濯:洗濯物の分別、洗濯機の操作、干す作業、取り込んで畳む作業。
- 料理:毎日の食事の準備、食材の買い出し、献立の計画、食材の下ごしらえ、調理。
- 食器洗い:食事後の食器洗いや食器の片付け、食器洗い機の使用も含まれます。
- ゴミ出し:ゴミの分別、ゴミの日に合わせたゴミ出し、リサイクル品の管理。
- 買い物:食料品や日用品の買い出し、オンラインショッピング、必要品の補充。
- その他の家事:アイロン掛け、衣類の補修、郵便物の整理、家電のメンテナンスなど。
これらのタスクを一覧にすることで、どの家事がどれだけの時間と労力を必要とするかが明確になります。
次に、それぞれのタスクを夫婦でどのように分担するかを話し合いましょう。
例えば、掃除は週末に二人で一緒に行う、料理は交代で担当、洗濯は夜に一緒に行うなど、具体的なプランを立てることが大切です。
また、家事の負担を軽減するための工夫も重要です。
例えば、ロボット掃除機の導入や食器洗い機の利用、週末にまとめて料理を作り置きするなど、家事を効率化する方法を取り入れることで、負担を大幅に軽減できます。
家事の分担は一度決めたら終わりではなく、定期的に見直すことが大切です。
ライフスタイルや仕事の状況が変わると、家事の負担も変わるため、適宜調整していくことが家庭の円滑な運営につながります。
DEWKs編:出産後の女性の働き方・母親としてのキャリア形成~仕事と子育てのバランスを取る~
出産後の女性が職場復帰を果たすためには、家事・子育てと仕事のバランスを取ることが不可欠です。
DEWKs世帯において、夫婦の役割分担は家庭の円滑な運営において重要な要素となります。
まずは夫婦間のオープンなコミュニケーションが鍵です。
出産後の女性がどの程度の時間を職場に割くのか、どのように家事や育児を分担するのかを話し合い、具体的な計画を立てることが求められます。
多くのDEWKs世帯では、夫婦が互いのキャリアを尊重し合う姿勢を持っています。
例えば、女性が職場復帰する際、夫が育児休業を取得してサポートするケースも増えてきています。
このような役割分担は、夫婦間でのストレスを軽減し、両者が自己実現を果たす手助けとなります。
また、家事や育児の分担については、日常的なタスクをリスト化し、どちらがどのタスクを担当するのかを明確にすることが重要です。これにより、負担の偏りが生じることを防ぎます。
外部サポートを積極的に利用することも一つの方法です。
例えば、保育園やベビーシッターの利用、家事代行サービスの活用などが考えられます。
これらのサービスを利用することで、家庭内の負担を軽減し、仕事に集中する時間を確保できます。
また、出産後の働き方として、リモートワークやフレックスタイム制度を導入している企業で働くことも一つの選択肢です。
これにより、家庭の状況に応じた柔軟な働き方が可能となり、育児や家事とのバランスを取りやすくなります。
企業側も、女性が出産後も働き続けやすい環境を整えることが求められており、これに応じた制度を整備することが重要です。
DEWKs世帯における夫婦の役割分担は、多様な形態を持ちますが、共通するのは互いのキャリアと家庭生活を尊重し合う姿勢です。
これにより、出産後も女性が活躍できる環境が整い、家庭全体の幸福度が向上します。
DINKsとDEWKsの消費行動の違いと家計管理方法
消費行動の違い
子どもの有無によって、消費の優先順位や増加する出費が変化する傾向にありますが、
例えばDINKsであれば、自分たちの趣味や娯楽に対する支出が大きくなることが多いです。
DINKsは共働きで収入が安定しているため、質の高い商品やサービスを選ぶことができ、その結果、消費行動が他の家庭形態とは異なるものになります。
DINKsの消費パターン例
旅行やレストランでの食事
美容やファッションアイテム
最新のガジェット
自分たちの生活を豊かにするための投資
教育や自己啓発に対する支出
一方、DEWKsは子どもに関する支出が優先され、仕事と子育ての両立を目指すため、効率を重視した消費行動が見られます。また、時間を効率よく使うためのアイテムやサービスに投資することが多いです。
DEWKsの消費パターン例
保育園や幼稚園の費用
習い事や塾
将来の学費に備えるための貯蓄
家事代行サービスや時短家電に対する出費
家族でのレジャー(旅行や週末のアウトドア活動など)
食費
住宅関連
このように、DINKsとDEWKsの消費行動には明確な違いがあり、それぞれのライフステージや価値観に基づいた消費パターンが見受けられます。
DINKsは自分たちのクオリティ・オブ・ライフを向上させるための消費を重視し、自己投資や趣味への支出が増える一方で、DEWKsは家族全体の幸福を追求し、特に子どもに関連する支出や生活の効率化に重点を置いた消費行動を取ります。
共働きの生活費分担・家計管理方法5つのパターン
共働き世帯が生活費をどのように分担するかは、夫婦の価値観や収入の違いによってさまざまです。
以下に、代表的な5つの分担方法をご紹介します。ご自身の家庭に一番適したパターンを見つけてみてください。
①項目別支払い分担制:家賃・水道光熱費は夫、食費・日用品は妻で支払うといったように項目別で分担する方法。
担当が明確化でき、収入の差に合わせて支払いを分担できます。結婚しても生活があまり大きく変わらない夫婦におすすめです。
デメリットとしては、家計の全体像が把握しづらく、金額がフェアになりにくい点が挙げられます。
各項目別の費用やその時々の負担に応じて話し合うことが大切となります。
②共通口座制:夫婦どちらかの名義で口座を作り、共通口座として生活費を支払う方法。
共通口座にそれぞれが毎月一定のお金を入れて、そこから生活費を支払うパターンです。
お互いの収入や支出が明確になり、自身の収入を開示できる夫婦におすすめです。
デメリットとしては、夫婦で共通口座を運用していても、名義はどちらか一人のものになってしまうこと。
個人名義でしか作成できないことで、トラブルに繋がってしまうケースもあるため、共通口座を作成する際は、運用方法や管理について事前にしっかりと話し合いをして、定期的に見直しを図りましょう。
③夫婦お小遣い制:最初に二人の収入や支出をすべて共有し、その中からお互いのお小遣いを取り、残りを生活費や貯蓄にする方法。貯蓄目標に達成しやすく、お互いの収支が明確になるため、とにかく貯蓄したい夫婦におすすめです。
家計全体像が把握しやすくなるため、無駄遣いを防ぐことができます。
デメリットとしては、自由になるお金が少なくなりがちで、制限されてしまうことです。
お小遣いの金額は夫婦間で事前にしっかりと話し合い、納得できる金額に設定することが大切でしょう。
④片方お小遣い制:片働きが多かった時代からあるシンプルな方法。家計管理に得意な方が全体の管理を行い、もう一方は生活費やお小遣いを渡す方法となります。
生活費やお小遣いが決まっているため、家計管理がしやすく、無駄遣いを減らしやすい点がメリットです。
一方、デメリットは、管理する側のお小遣いが不透明であったり、コミュニケーション不足による誤解が生じる可能性があることです。
お互いに納得できるように、家計管理を担当する側が、情報をきちんと開示し夫婦間で家計状況を話し合い確認する時間を設けることが必要です。
⑤生活費と貯金分担制:夫婦それぞれが生活費や貯金の一部を負担する方法。
例えば、夫が家賃や光熱費を担当し、妻が食費や子どもの教育費を担当するという分担制です。
この方法は、夫婦それぞれの得意分野や収入に応じて役割を分けることができるため、ストレスが少なくなりやすい点がメリットです。
また、収入に応じた分担を行うことで、不公平感を減らし、家計のバランスを保つことができます。
しかし、デメリットとしては、どちらか一方に負担が偏る可能性があるため、定期的に見直しを行い、負担のバランスを調整することが重要です。
以上が代表的な5つの家計管理方法となります。
異なるライフスタイルのDINKsとDEWKs ~将来に向けた希望~
これからの社会では変化に伴い、女性の役割も多様化しています。特にDINKsやDEWKsのようなライフスタイルを選択する夫婦にとって、女性がキャリアを追求しながら家庭生活を充実させるための支援が求められます。
例えば、企業側の対応として、柔軟な労働環境の整備や育児休暇の取得促進、職場でのジェンダー平等の推進など、女性が働きやすい環境を提供することが不可欠です。
また、男性の育児参加を促進することで、家庭内での役割分担がより公平になることも期待されます。
これにより、DINKsやDEWKsに限らず、すべての家庭が仕事と家庭のバランスを保ちながら安心して暮らせる環境が整います。
次に、政府や自治体の政策が大きな影響を与えます。例えば、保育施設の拡充や育児支援サービスの充実、働く親をサポートするための法整備などが進められることで、女性が安心して働き続けることができる社会が実現します。
さらに、教育現場でもジェンダー平等の意識を育むプログラムを導入し、次世代の子どもたちが性別に関わらず自分らしいキャリアを追求できるようにすることが重要です。
地域コミュニティの支援も不可欠です。地域社会が連携し、育児支援や家事代行サービスなどを提供することで、DINKsやDEWKsの家庭が抱える負担を軽減できます。
これにより、夫婦がもっと自由に時間を使い、自己実現や趣味に取り組む余裕が生まれます。
将来の社会では、DINKsやDEWKsの家庭が増えることで、新しい家族の形が多様化し、それぞれの価値観やライフスタイルが尊重されるようになります。
このような社会では、個々の選択が尊重され、どのような生き方を選んでも幸福を追求できる環境が整うでしょう。
そのためには、政策、企業、地域社会が一丸となって、持続的な取り組みを進めることが必要です。